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816 days ago
うどんげ日記外伝 因幡てゐ ○月×日△曜日 お久しぶりです、夜ふかしです。 本当にお久しぶりで困ります。 そんなお久しぶりな方々には、この日記が日記等と言う代物ではないと言う事はもはや言わずともアレな感じだと思うのだけれど、そんな事も問題ではなく。 つまる所、書いている本人があまりに放置したもので前回までの展開を完全に頭からスローイングしてしまった上に読み直すのも面倒なので・・・まぁアレだ。 今日も永遠亭は平和なのでした。 てゐ様から部屋をあてがわれた僕はおおよそ生まれて初めて感じるのではないかと思うほどに快適なベッドの上で目を覚ました。 それはそれはとても快適であった訳で、ちんこも朝から元気にいきり立つと言う物である。 失礼。 (久しぶりすぎて感覚が戻ってこない。許して欲しい。) そうして目覚めた朝だか昼だかのまどろみを堪能しつつ、昨夜はゆっくりと眺める事も出来なかった室内を改めてみた。 ・・・何もない部屋。 飾り気どころか時計も鏡も机も何も無い。 おおよそ誰かが使っていた形跡など何処にも無く、ここが空き部屋であった事は明白だった。 しかしそれにしてはおかしい。 妙な違和感を感じる。 その違和感が何なのかは、その時の僕には解らなかったのだが。 そうしているうちに餅つきの事を思い出した。 しまった。 朝の餅つきに遅れてしまうとマズイ。 いったい今が何時なのかハッキリとしないが、とにかく僕は道具小屋へと急いだ。 頭の中では左右どちらに避けるべきかと対てゐ様戦のデモンストレーションを繰り返しながら・・・。 「おぅおぅ、今日は少し遅かったじゃないか」 すっすみまぜっと息を切らせながら道具小屋に辿り着いた僕に、てゐ様は木槌を振り下ろさなかった。 「いいよいいよ、いいから道具は自分で用意するんだよ」 はいすみませんっ!当然でございますっ! 仮にも餅つき班長の名をいただいたのである。 いつまでもてゐ様の手を煩わせている訳にはいかない。 僕はせっせと道具小屋へ入ると―――――――。 ギィバタン。 小屋の扉が閉まった。 ギクリとして振り返ると、まぁこのパターンで行けば鍵を閉められて閉じ込められてと言うのを想像するものだ。それが道理と言う物だ。 ...
959 days ago
○月×日△曜日 班長になってから、毎日餅を付く僕がいた。 「なかなか上手じゃない、天職なんじゃん?」 僕の隣りでへらへらと笑う彼女も、もう見慣れた光景である。 毎日来てくれるのは嬉しいのだが。 「他にする事ないんですか?」 僕より彼女の方が暇そうだった。 「あー何?やっぱり見られているとやりにくいかい」 まぁ上司に毎日見張られてちゃアレだよね~。 と腐る彼女。 相変わらずへらへらと笑っているが、これは失言だっただろうか。 そうではない、僕の面倒で彼女に迷惑がかかってしまうのが嫌だったのだ。 僕としては毎日彼女に会える事は嬉しい。 退屈しなくてすむし、何より一人ぼっちになるのは不安だ。 そんな不安も彼女が会いに来てくれるだけで何処かに消えてしまうのだから、今の僕にとって、彼女の存在は無くてはならないものだと言える。 「側に居てもらえもらえるのは助かります」 「ふふーん、そうだろうそうだろう素直が一番だよ」 さも嬉しそうにニコニコと笑う彼女を見ていると、妖怪である事を忘れてしまいそうになる。 まぁ、妖怪だろうが何だろうがそんな事は大して問題にはならない。 この幻想郷では特にだ。 それに、この兎少女が僕にとって大切な存在である事も事実である。 それだけで十分だ。 そうやって、いくらか餅を付いた頃である。 遠くから視線を感じて手を止める。 辺りを見回すと探すまでもなく、その存在は見つかった。 かなり遠く表情は伺えないが、頭に生えた兎の耳らしきものと真っ赤な瞳が目立つ。 身の丈は僕と同じか少し高いくらいだろうか。 他の兎とは違う人の姿をしたそれは、兎少女の話に出てきた人物で間違いないだろう。 「あの人・・・さっきからこっちを見てる」 「ん、ああ、気付いてるもんだと思ってたけど」 あんたここ数日はずっと見られてたよと僕のすぐ隣りまで来て言う彼女。 「あれは鈴仙、こないだ話した月の兎ね、何やってんだろうねー」 ...
960 days ago
ウドンゲ日記外伝 因幡てゐ 「近親相姦の恐れ有り 1」 ○月×日△曜日 永遠亭。 竹林の奥にコッソリと佇む、永遠と言う結界に守られた月の民と兎の楽園。 僕はこの日記を書いている冥界の因幡である。 冥界のと言っても至って普通の因幡なので幽霊ではない。 ましてや半霊でもなければ妖怪でもなく、色々とあって冥界にあるお屋敷で庭師をやっていただけと言う話だ。 更にはそれも過去の事であって、今ではこれまた色々とあり、この永遠亭で餅をつかせてもらっていると言う訳なのだ。 これは、僕が永遠亭で餅をつき始める前のお話し。 ・ ・ ・ その日も僕には仕事が無かった。 冥界にいた頃は亡霊のお嬢様にからかわれたり庭師の少女と稽古をしたり、他にも騒霊三姉妹とお喋りしたりとそれなりに退屈の無い毎日を送っていた僕にとって、この永遠とも思える退屈な日々は、まるで竹林の毒なのではないかとも思える程に僕の心を焦らせていた。 とは言ってもここは人里離れた竹林の更に奥。 目に付くのは冥界にあるそれ程ではないが、広い敷地を持ったお屋敷と兎の姿ばかりだ。 仕事は無いかと尋ねたいがまさか兎に言葉が通じる訳も無く、僕はただ流れるだけの時間を、ただ流れるだけのままに、ブラブラと過ごすしか出来ない。 ヒマである。 ○月×日△曜日 ヒマである。 もうここへ来てかれこれ10日は経つだろうか。もっと経ったかも。 特に何が起こる訳でもなく、僕はやっぱりブラブラしていた。 ブラブラついでにこの永遠亭を探検してみたりしたのだが、特に何も無い。 唯一気になった事と言えばこれは不思議な話なのだが、永遠亭を外からぐるりと一周した際に掛かる時間と、永遠亭内の廊下をぐるりと回って一周した際の時間が大きく異なるのだ。 通常、内側を周る様にすればその時間は短縮されるはずである。 だがおかしな事に、廊下を歩いて一周するとその時間は外を周った時の2倍以上は掛かってしまうのだ。 ...
962 days ago
あ、どうも夜ふかしです。 最近日記を書いていなかったのですが、サボっていた訳ではないのです。 実は休暇をもらって白玉楼へ行っていましたのですよ。 数ヶ月前、僕がまだ永遠亭で餅をつき始める以前の事。 僕は冥界にあるお屋敷で庭師をやっていました。 そのお屋敷が白玉楼な訳なのですが、見目麗しいお嬢様と堅苦しい庭師がいてまぁまぁ楽しく毎日を過ごしていた訳なのですよ。 ところがこの庭師があまりにも庭師なので、僕が庭師をやる必要が無かったのですね。 まぁ本来生きた人間がいてはいけないらしいので、結界が緩んだ隙に地上へ放られて、竹林を彷徨っていた所にてゐ様が現れて・・・と言う感じで、現在は永遠亭で餅つきをしているという訳なのでした。 そんな僕がたまに長期の休暇をもらっても行く場所なんか無い訳で、久しぶりに挨拶をしてこようかなぁと、まぁあそこのお嬢様は僕の事なんか覚えていないだろうけれど。 と言うのも、あそこのお嬢様は朝食べた物を昼食までに覚えていられない程の頭脳の持ち主なのだ。 よくそんなので主が務まるなぁと思うかもしれないが、あそこには亡霊しかいないので問題ないのだそうだ。 ひょっとしたら庭師の人は僕の事を覚えているかもしれないし、元より目的など無いに等しいのだから、忘れられていたらすぐに帰ってくれば良いだけの事。 と、そんな考え方が通用する様な相手ではないと言う事に、以前の僕なら考えるまでも無く気づいていただろうに・・・。 季節は冬――――― 当時は春真っ盛りで、冥界にまでちょっと異常なくらい桜の花弁が踊り狂っていた。 この道を通るのも久しぶりだ。 死に近づく感じ。 けれども寂しさは微塵も無く、耳には騒がしい程の演奏が聞こえてくる。 見ずとも解る見事な演奏は、冥界が誇る騒霊三姉妹のものだ。 きっと練習でもしているのだろう。 邪魔をしては悪いとも思ったが、僕が近づくと向こうから挨拶してくれた。 「あら、珍しいお客さんねぇ~、一発やってく~?」 自らのシンボルであるトランペットから口を離し、何とも言えない絡みにくさを身に纏った彼女がやってくる。 どうも、と片手を上げる僕。 どうやら覚えていてくれたらしい。 このやたらとテンションの高いお嬢さんはメルラン・プリズムリバー。 ...
962 days ago
「んー・・・」 私の名前は射命丸 文(しゃめいまる あや)。 この幻想郷で唯一の真実を伝える「文々。新聞(ぶんぶんまるしんぶん)」の執筆者だ。 そんな私が、今日は一体何をしているのかと言うと。 やはり新聞を書いている。 外の時間はすでにお昼を過ぎた辺りだろうか。 そんな事などお構いなし、知った事かとでも言う様に、この部屋の時間は昨夜、時計の針が10時を過ぎた辺りから止まってしまった様だ。 狭い部屋は薄暗い闇に覆われ、執筆用の机に灯された蝋燭の炎は薄気味悪さを手助けしている。 「ぐうぅ・・・・・ぐぐぐ・・・・・ぅっ」 そんな中で唸り声を上げる天狗が一人。 肩まで伸ばした黒髪は微かに栗色を携え、艶やかな光沢を放ちながら清楚な香りを漂わせ、スラリと伸びた手足に引き締まったボディラインはスレンダーな印象を与えるが、しっかりと女体である事を強調する膨らみは多くを魅了する。 つまり私。 まぁ最近ちょっとお風呂にも入ってないし、少しばかり脂ぎってるかもしれないけど、そこは愛嬌なのです。 そんな私が何を唸っているのかと言いますと・・・。 「朝刊が・・・間に合わなかった・・・。」 基本的に「文々。新聞」は購読契約をした方と天狗仲間に幻想郷で起こった事件の真相や、気になる最新情報をお届けするのがその役目である。 つまり、何か事件が起きた時や私が出歩いて気になる出来事を発見しないかぎり、発行される事は無い。 要するに、朝刊である必要は全くないのだ。 では何故朝刊を発行しようと思ったのかと言えば。 「毎朝新聞が来れば、何気なく皆読んでくれると思ったんだけどなぁ~・・・」 と言う訳。 だが実際にはそんなに甘いものではなく、毎朝新聞を発行する事のいかに困難な事か。 ネタはいとも簡単に底を突き、それを補う為に幻想郷中を飛び回る疲労と執筆時間による寝不足で一週間も経たずに心身共々ボロボロである。 自慢の美しい髪と健康的な肌もご覧の通りの有様だし、今朝に至ってはついに朝刊が間に合わなかった。 「ダメだ・・・書けない・・・、ネタが無さすぎるわ・・・」 ちょっと出掛けてこようか。 ...



